いじめの原因になる「子どものワキガ」とミラドライ治療
思春期の子どもがワキガや多汗症を理由にいじめに遭うケースは、実は少なくありません。
体質的な問題であるにもかかわらず、においが原因で友達から距離を置かれて学校生活が苦痛になってしまう。
親として、何とかしてあげたいと思うのは当然のことです。
この記事では、子どものワキガ・多汗症がいじめにつながる背景から、メスを使わない治療法「ミラドライ」まで詳しく解説します。

いじめの原因になる「子どものワキガ・多汗症」とは?思春期特有の体質変化を理解する
ワキガ(腋臭症)と多汗症の違い
ワキガ(腋臭症)は、アポクリン腺という汗腺から出る汗が原因で独特のにおいが発生する症状を指します。
アポクリン腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質が含まれておりこれが皮膚の常在菌によって分解されて特有のにおいが生まれます。
一方、多汗症はエクリン腺というもう一つの汗腺から多量の汗が出る症状です。
エクリン腺の汗自体はほぼ無臭ですが、量が多いと衣服に汗染みができたり、湿った状態が続くことで雑菌が繁殖しにおいの原因になることがあります。
これらは、どちらかの症状がみられるわけではなく両方の症状が同時に現れることもあります。
思春期に症状が現れやすい理由
中学生や高校生になると、急にワキガの症状が出始めることがありますが、これは思春期特有のホルモン変化が関係しています。
第二次性徴期に入ると、性ホルモンの分泌が活発になりそれに伴ってアポクリン腺が発達します。
小学生までは目立たなかった体質が、中学生になって急に気になり始めるのはこうした身体の成長過程によるものです。
さらに、思春期は皮膚の新陳代謝も活発になり皮脂の分泌量も増えるため、こういった要因が重なることでにおいが強くなりやすい時期となるのです。

遺伝的要因と本人が気づきにくい特徴
ワキガには遺伝的な要因があります。
両親のどちらかがワキガ体質の場合、子どもにも遺伝する可能性は約50〜80%と言われています。
欠点として本人が自分のにおいに気づきにくいという点があげられます。
人間の鼻は自分の体臭に慣れてしまい、周囲が気になっていても本人は全く自覚していないケースが多くあるのです。
子どものワキガ・多汗症治療の選択肢を比較する
ワキガ・多汗症の治療には、いくつかの選択肢があります。

保険適用の治療
・塗り薬(制汗剤、抗菌剤)
・内服薬(抗コリン薬)
・ボトックス注射(重度の場合)
・剪除法(手術、重度の場合)
自由診療の治療
・ミラドライ
・ボトックス注射
・ビューホット

各治療法のメリット・デメリット
塗り薬・内服薬
メリット:手軽に始められ、費用が安い
デメリット:効果が一時的であり根本的な解決にならない
ボトックス注射
メリット:短時間で施術可能でありながらダウンタイムが短い
デメリット:効果が約6ヵ月程度となるため定期的な治療が必要
剪除法(手術)
メリット:保険適用であり根本的な治療
デメリット:メスで切開するため傷痕が残りダウンタイムが長い
ミラドライ
メリット:メスで切開の必要がないため傷痕が残らず効果も半永久的な根治治療
デメリット:保険適用外であるため自費となり費用が高い
子どもに適した治療法の選び方
思春期の子どもの場合、次のポイントを考慮する必要があります。
・学校を長期間休まなくて済むか
・傷痕が残らないか
・痛みや恐怖が少ないか
・効果が長く続くか
これらを総合的に考えると、メスを使わずダウンタイムが短く長期的な効果が期待できるミラドライは、子どもにとって負担の少ない選択肢と言えます。

ミラドライとは?切らないワキガ・多汗症治療の仕組みと特徴
ミラドライは、臭いや脇汗の原因となるアポクリン腺・エクリン腺の汗腺にマイクロ波を照射し熱作用を加えることで汗腺の機能を破壊し、気になるワキガ(腋臭症)や多汗症の悩みを抑えることができる治療法です。
破壊された汗腺の機能は再発されないことから、効果は半永久的な持続力があります。
また、皮膚を切らないので傷跡が残らないのが最大の特徴のことから幅広い年齢層に人気がある施術です。
メスを使わない治療のメリット
従来の手術との最大の違いは、メスで皮膚を切開しないという点です。
これにより次のようなメリットがあります。
・傷痕が残らない
・感染症のリスクが低い
・ダウンタイムが短い
・日帰りで治療可能
・翌日から学校に行ける
思春期の子どもにとって、体に傷が残らないことは心理的な負担を大きく軽減します。
治療時間と効果の持続
ミラドライは、マイクロ波に水分が反応して熱エネルギーで効率よく汗腺を破壊していきます。
そのため、両脇施術行う場合1時間半~2時間という短時間で施術が行えますのでお忙しい方にも隙間時間にオススメです。
また、破壊された汗腺は再発しないので半永久的な持続力があります。
子どもがミラドライを受ける場合の年齢制限と適応条件
年齢の目安と医学的な考慮事項
ミラドライに法的な年齢制限はありませんが、中学生以上を推奨しています。
理由として、思春期に入ってアポクリン腺が十分に発達していることが治療効果を高めるためでもありますが、当院では両脇へ使用する局所麻酔の量を治療者の体重に合わせて注入させていただくため、あまりに低多重であるとリスクが高まってしまう事からおおよそ中学生以上と基準を設け、安全に受けていただくようご案内しております。
また、本人が治療の意味を理解することも重要となるからです。
親の同意と本人の意思確認
未成年の治療には、必ず親の同意が必要です。
同時に、子ども本人が治療を望んでいるかどうかの確認も欠かせません。
親が一方的に決めるのではなく、カウンセリングでしっかりと説明を受け子ども自身が納得した上で治療を受けることが大切です。

ミラドライの費用相場と保険適用について
治療費用の目安
ミラドライは自由診療なので保険は適用されません。
両脇の治療費用は、13万~40万円程となります。
高額に感じるかもしれませんが、手術のように入院費用がかからずボトックス注射のように繰り返し治療する必要もないため長期的に見るとコストパフォーマンスは高いと言えます。

一括払いが難しい方は医療ローンでのお支払いもございます。
ミラドライ治療の流れ
当院での治療当日の流れ
1.脇の状態確認と照射範囲をマーキング
2.医師による局所麻酔の注入
3.ミラドライ照射開始
4.冷却と注意事項の再アナウンス
5.施術終了
治療後、局所麻酔の作用が切れてくるとお痛みがみられ腫れや浮腫みが出ますが、数日で落ち着きます。
翌日から学校に行くことも可能ですが、体育など激しい運動は1~2週間ほどお控えましょう。

まとめ
子どものワキガ・多汗症によるいじめ問題は、親にとっても子どもにとっても辛い経験です。
しかし、適切な治療とサポートによって、必ず解決できる問題でもあります。
ミラドライは、メスを使わず傷痕も残らない、子どもへの負担が少ない治療法です。
当院では患者様のお悩みをお伺いし、ひとりひとりに合った施術プランをご提案いたします。
長年ワキガ・多汗症でお悩みの方は相談だけでも可能となりますのでお待ち致しております。